DOOM: The Dark Ages 批評、ドゥームスレイヤーという体験の為に研ぎ澄まされた楽しさ

 


  • 要約:一切の無駄がなく研ぎ澄まされたDOOM体験と追加された要素の楽しさが素晴らしい
  • プレイ状況:ノーマル難易度でPC版をクリア。道中なるべくシークレットを探したりしながら16時間ほどでクリア(1割くらい取り残している)

新生DOOM(2016)とその後のDOOM: ETERNALで、何が良かったのか、何が悪かったのか、おそらくそこにとても力を入れて考えたのだと思う。

今作からシールドソーによるガードやパリィという要素が増え一番の特色としているがこれが恐ろしいほどに楽しい。
敵の遠距離攻撃、近距離格闘もしっかりと読み切ればほとんどダメージを受けずに突破できるし、従来どおり敵の弾幕を避けるという要素もあるが、前作のようなダッシュ前提のような厳しいところは無い。

パリィ判定もノーマル通常設定の段階では厳しい判定ではなく、筆者だとキャンペーンを初見でほぼ死なずにクリアできる程度には難易度が優しい。前作ETERNALのマローダーような高速でガリガリ削ってくるような敵も居ないので過去2作で一番楽に遊べるDOOMと感じる。

手に入る各種の装備や強化要素でもアーマーやライフを補うものがあったり、逆にそれらは無視し徹底的に火力を目指したり、難易度が低いゆえの自由度もあると感じた。

地獄の軍勢相手に一歩も引くこと無く突撃し全てを薙ぎ払ってゆくドゥームスレイヤーという主人公を最もよく表しているゲーム体験になっていると思う。


ゲームコンテンツとしての密度も素晴らしい。
前作DOOM: ETERNALにあったようなマルチプレイヤーモードも無くなり、代わりにキャンペーン本編にこれでもかというコンテンツ量を詰め込んだように感じる。

キャンペーン各チャプターのMAPも広大でシークレットや強化アイテムしっかり探していると1チャプター1時間近く探していたりする。

ストーリ展開でのムービーシーンのようなものも少なく、ひたすら戦闘を繰り返すスレイヤー体験をすることになるが、ゲーム中盤少し超えるあたりまで追加の武装や強化が入る他、ロボットモードやドラゴン騎乗シーンも挟んでくる。
それで広く作ったMAPと詰め込まれた戦闘で飽きや疲れも緩和しようとしたのではと感じる。



反対に失われたものとしては、BGMが前作・前々作よりも淡白に感じるところがあるので、前作までBGMに携わっていたミック・ゴードン氏との確執は残念に思う。
BGMに悪い曲があった訳では無いが、ETENALのようなずっしりした重さや激しさで心に残る部分がなかったように感じる。

また、いわゆるグローリーキルで派手にデーモンたちがひどい目に会うシーンも今作はやや印象が低いものとなっている。
一応シールドソーで縦割りデーモンにしたり、スレイヤーさんって心臓や目を引っこ抜くの好きですよねとなるシーンはあるのだけどどうしても前作までの過激さは無いように思う。

ただそこについては、そもそもそういうシーンを実装したとしても数多くの戦闘を敷き詰めている中でそういうシーンをひたすら見せるといずれプレイヤーが飽きたり疲れてしまうので控えめにしたほうがよいのではという判断があったのかもしれない。


それらの削られた要素を踏まえても、今作に追加された要素や練り込まれたキャンペーンはこれまでのDOOMの中でも最高のドゥームスレイヤー体験と言えるだろうし、2025年発売されたビデオゲームとしてみても傑作と言えると思う。





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